スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

豚の「お見合い」

前回書いたホルモン剤について、養豚ではよく母豚に使います。
種付けは、いわゆる「お見合い」で、カップルが成立すると
その場でハネムーン=交配となります。
作業をまとめてするためには、この「お見合い」をいっぺんにするのが
便利です。

とはいえ、母豚が1000頭以上いる農場で、これをしようとすると、
一日に何十頭もの「お見合い」をしなくては行けなくて、要領よくやらないと
ヒ~ってなことになるんです。
これには計算式とめやすがあって、以下の様な計算をしています。

1000頭×2.3回÷12=191.666・・・腹

豚は1年に2.4回くらいお産をします。
(だいたい5カ月周期で交配~離乳をするサイクルなのです)
まあそれでも、なかには体調を崩したりするやつもいるので、
余裕を見て1年に2.3回くらいお産をする、と考えると、
母豚が1000頭いれば、1年にお産をする回数は2300腹になります。
じゃぁ1カ月には何腹分娩があるのかというと、割ることの12カ月で、
1カ月で約192腹分娩があることになります。
それをさらに週単位で考えれば、1週間で38~48腹。となります。
1日単位では5~7頭の計算になります。


一見毎日分散して「お見合い」した方が楽に見えますが、種付け担当者からすれば
これは宜しくありません。
なんてったって、お休みが取れなくなりますからね!

まあそんな訳で、
種付けは、1週間当たり1~2日間にまとめて交配させることが望ましくなります。
まとめて種付けするのが望ましいのですが、だからといって種付けする日以外に
種付けを全くしないかと言うと、それは違います。

ところで、豚の「お見合い」には交配の目的だけではなくて、母豚の色気を出す作用
もあります。
ですから、結局は種付け担当者は 毎日豚の「お見合い」をさせています。

雄豚と母豚を柵越しに引き合わせ、「お見合い」させることによって、
種付け適期(排卵日)を推定して、発情適期が近いなぁと思った母豚をひとまとめにして
種付け日にまとめて交配をさせます。

それでも種付け日に交配が出来なかったり、出遅れて発情が来なかったりする母豚には、
ホルモン剤を投与して、再度「お見合い」をさせます。
スポンサーサイト

ホルモン剤のはなし①

玉突き
 自分が産気づいた時に、ホルモン処置をして頂きましたが、
このホルモン処置ってどんなしくみなんでしょうか?

ヒトでも、不妊治療などで服用するという話をよく聞きます。
性同一障害の方も、男性ホルモンや女性ホルモン投与をする場合があります。
いずれにしても、ホルモンを体内に投与することで、本来の作用
(例えば、月経周期を整えるとか、男性らしいもしくは女性らしい
体型にするとか)以外の副作用(だるい・吐き気など)を生じる場合があるようです。

どうしてかと言うと、これらの性ホルモンは、
投与する目的の以外の作用も持っているということなんですね。

ちなみに豚では、主に性周期を整えるのに使われています。
具体的には、
発情がくる時期や分娩が始まる時期を合わせて、
一度に何頭もまとめて種付けをしたり、お産をさせたりするんです。

まとめて種付けや分娩をすることで、作業時間を短縮させることが出来ます。
それから、こぶたがいっぺんに生まれてくるので、成長具合を合わせることも
可能になります。
ただし、ホルモン処置は必ずしも必要なわけではなくて、
薬に頼らずに体調を管理することが望ましいのです。

それは初めに行ったように、ホルモン投与は体に負担がかかるからです。
それから、ホルモン剤はどの時期でも打ってよいというものではなく、
きちんとタイミングを見計らって打たないと、効果が得られない、
という理由もあります。

(ホルモンの作用①しくみ)
上のイラストのように、ホルモンは「玉突き」のような作用を持っています。
「1の玉を突くと2の玉にあたり、飛んで行った2の玉は3の玉を突く」

もし1の玉を突く刺激がない、もしくは刺激に対して反応しないのであれば、
2の玉を突く作用を持つホルモン剤を投与することになりますし、
3の玉が動かなければ、3の玉を突く作用のホルモン剤を投与する
ということになります。


(ホルモンの作用②効果)
ところが、実際は各々の「玉」は次の番号の玉を突くだけではなくて、
他の作用も持っている場合があるんです。

ホルモン剤には大まかに分けて2種類あって、天然型と合成型というのが
あります。合成型はいわゆる「次の玉を突くのみ」の作用を持っているんですが、
天然型は「次の玉を突く以外」の作用も持っている訳です。

たとえば、分娩誘発に使うホルモンの成分で、
PGF2α(ピージーエフツーアルファ)というのがありまして、
これには合成型と天然型の2種類のタイプがあります。
合成型は分娩誘発に対して、比較的強い作用があります。
もうひとつ、天然型というのもありまして、
こちらは合成型よりも、分娩誘発作用は比較的穏やかです。
ただし、天然型PGF2αには、
分娩誘発作用のほかに、子宮を収縮させる作用もみられます。
合成型PGF2αにもこの作用は見られるようですが、
天然型のほうが子宮収縮能力は強いようです。

ちょっと話が難しくなってしまいましたが、
とにかく体内のホルモン作用を調節するには、
①規則正しい生活リズムで健康維持
②ホルモン剤は作用と使用タイミングを見計らって
ということになります。

あぁぁ、結論はホルモン剤以外の薬剤でもおんなじですねー。
(つづく)

出産ってタイヘンでした

2009年12月6日、破水とともに目が覚めた私は、夫婦ともども動揺しつつ産科へ。
もともとお腹の張りが強く、投薬だけでは抑えられず(産道が開きかけた)、
切迫流産で10日間ほど入院し、退院した4日後のことでした。
ちなみに、投与されていた薬剤はウテメリンというやつで、
子宮の筋肉を弛緩させる効果があります。
この薬剤は副作用があり、子宮の筋肉と性質が似ている筋肉にも作用するため、
入院し、点滴投与した数日間は、動機やめまい、吐き気などに悩まされました。

a7.jpg
 ↑
まあそれはさておき、産科へいった当時担当をされていた先生は、
おそらく非常勤。私たちは午前7時ごろ病院へ着いたのですが、
すでに分娩があったのか、疲れていらっしゃる様子でした。
そこで、
豚の話をふってみましたら、意外な食い付きの良さ。

そもそも、
陣痛よりも破水が先に起こってしまったため、陣痛促進剤を投与されたのが
きっかけだったんです。

投与された薬剤はアトニンというやつで、これはオキシトシンというホルモンの製剤。
豚の分娩誘発にも使っているものです。
先生が熱心に分娩看護をして下さるように、と一計を案じたのでした。


a8.jpg
 ↑
それで、子宮口が広がっていよいよ娩出!という時になるまで、
豚の話をつらつらとしていまして、分娩後のハイな状態でその話をまとめて
医局へ持って行きましたら、看護師さんにもウケタのでした。

【話の内容】
豚は1回の分娩で、子豚を5~12頭(多いときには20頭以上)生む動物で、
子宮はウサギの耳のように2本に分かれています。
受精卵は、分かれた子宮の各々に着床し、だいたい生まれてくる子豚の
半分ずつが分かれて入っています。
沢山の子豚が生まれてくるのに、胎盤は一つです。
(ちなみに 胎盤は化粧水の原料になったりする)
子豚は1頭ずつ娩出されます。
娩出には、母豚の陣痛と子宮内の水圧があることが肝心です。
破水だけが起こってしまうと、子宮の中を満たしている羊水が先に出てしまい
赤ちゃんが中々出てこれない「難産」になりやすいのです。
そうなった時は、人口羊水(世間でいう「ローション」と同じ成分)を
数リットル子宮内に注入します。
豚の子宮はなにせ長いので、沢山の羊水が入るんです。
(胎児の重さ+羊水+胎盤そのほかを合わせると約20kg位あるんだそうな)




【実体験】
陣痛が起ると、お腹に力が入るので、
結果として「いきむ」状態になるんだなぁ というのが実感!

そして陣痛は便意に似ています!
すっごくおトイレに行きたいのに、腰砕けで行けなくなります。
何度もおトイレに行く方もいらっしゃいましたが、
内臓が胎児に圧迫されているので、おしっこが中々出ません。

看護師さんから見たら、「産まれそうぅぅ~!!!」な瞬間は、
「母体の精神状態」で判別できることが分かりました!
もうその時は意識が飛んじゃってます。正気じゃないです。

私は分娩台に乗ってから、出産したのが1時間30分位でしたので
まだ楽な方だったみたいですが、ほかのお母さんに伺ってみると、
腹筋に力が入らなくて、助産師さんと医師の二人がかりで
お腹を押されたとか。
豚のお産でも、お腹を圧迫するんですよー。
体重50kg位の女性でしたら、母豚のお腹の上にやさしく乗って
(長靴だけど)踏んであげることもあります。



…そして産後は母体ヘロヘロ~。
「前」は裂けて「後ろ」はハナが咲きました。
幸いウンチは洩らさなかったみたいです。ヨカッタ。
ヒトは娩出前に医師が施術して下さるからいいけど、豚は裂けちゃいます。
豚は子宮が長い(片方が1メートルくらいになる)から、
子宮脱や膣脱になると大変です。外陰部を縫い閉じることもあるんです。


分娩終了後も、面倒を見てもらえる、
ヒトでよかった~とつくづく思ったあの日の昼。


ご無沙汰しています

前回の日記から、丸1年以上が経ってしまいました。
2009年10月、日記を書いた直後に入院→退院→出産しました。
そんなわけで、2010年は育児とマンガ描きに費やし、
2011年3月末現在に至ります。

妊娠、出産プラス育児(進行中)は未経験でしたので、
「豚はこうだったよなぁ」と思い出しつつ育児に活かしています。

そういった「豚はこうだったよなぁ」なコネタを再び書き留めてみようかな。

ちなみに描いていたマンガは、緑書房 月刊「養豚界」で連載されていました。
すでに連載は終了しております。
もしご興味のある方は、バックナンバーをチェックしてみてください。
マンガのタイトルは『目指せ!管理のスペシャリスト』です。
(2009年5月号~2010年11月号:途中休載あり)

091128(2).jpg
 ↑
連載時のマンガ下書きです。原案者がいらして、マンガを担当していました。
養豚マンガの試みは面白いことだと思うけれども
マンガとしてはトホホな出来です。

「まんが豚魂」始めました

以前から考えていた養豚まんがを描き始めました。
しかしながら、現在スキャナー故障中。
原稿用紙まで買ったのにどうしようかと迷い、
とりあえずペンタブで描いてみました。
絵は荒いです。

設定は、
農家養豚(母豚規模300頭程度)、
一貫経営。経営者と農場長は別。従業員3人位。
その農場で、アルバイトの女の子が養豚場の作業を体験する
というお話になる予定です。

担当は分娩&離乳舎。
教えてくれるおじさんは、種付け&妊娠舎担当で、
養豚を始めて2年。でも勉強熱心で、観察力に優れている。

アルバイトの女の子は、動物が好きだけど養豚は初心者。
とりあえずはそんな感じです。

順調に進むかどうかは自信ないんですが、
とりあえず少しずつアップしていくつもりです。

今日は表紙と農場外観の2枚です。
まんがその1の①

まんがその1の②










プロフィール

串木野 あいら

Author:串木野 あいら
ココロのスキマに養豚コネタ。
豚魂からお越しのお客様は、プラウザのバックボタンもしくはリンクにてお戻り下さいませ。

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。